わたしは、黒子くんの彼女として


自信のないところがある。


それは......








*** Touch Me!








黒子くんは、肌の色がわたしよりも白い。それは、彼女として、まぁ、わたしの中でだけど、どうしてもしっくりいかないことだった。
今も、隣で文学小説を読んでる黒子くん。わたしはお気に入りの雑貨の雑誌だけど、ページをめくる指、首元、横顔...全てが白くて綺麗で、女の子なら誰でも羨むような透き通るほどの肌をしているのだ。
まぁもちろん、それは、持って生まれてきたものだし、わたしがとやかく言うことではないのだけれど...でも...彼女としては、いくら最近草食系男子が流行ってるとは言っても、やっぱり自分よりも肌の白い彼氏って、何となく、、、自分が残念に思う。
せめて、黒子くんと同じくらい白かったらなぁ、とか、そう思ったところでどうしようもないのだけれど。でも。一応努力はしてるんだ。一生懸命日焼け止めを塗ったり、風呂上がりのボディローションは欠かしたことないし、マッサージだって。とりあえず、出来ることから少しでも克服していくしかないなんて、ちょっとやっぱり情けなく思う。

さん、さっきから、全然ページ、進んでませんね。」

一瞬、はっ、となって、黒子くんを見たら目が合った。しまった。それでなくても洞察力の鋭い彼なのに、本を読んでても見抜かれちゃうなんて...ははは。わたしとしたことがますます情けない...

「あ、えっと、ちょっと、考え事してて...」

少し苦笑しながらごまかしたところで、黒子くんには全然効いてないみたいで。ますますわたしの顔を覗き込んでくる黒子くんに、わたしはちょっと構えてしまった。

「何かあったんですか?」
「え?いや、ゴメンゴメン。何でもないって。全然大したことじゃないから、気にしないで。」

目の前で制するように黒子くんへ両手のひらを向けて抑えるようなことをしてみたけれど、すかさずその手は黒子くんに片手で握られてしまった。わたしはちょっとドキっとして黒子くんを見た。綺麗なブルーの瞳がわたしへとまっすぐ向けられる。

「僕は、彼女が悩んでる顔を見逃すほど、気持ちが頑丈には出来てません。」
「あ、いや、だから、本当につまんないことだから。アハハ。ごめんなさい。」
「僕に言えないことなんですか?」
「いやぁ、っていうか...」

肌の色で悩んでる、なんて、めっちゃ笑われて馬鹿にされそうで、言えるわけがない。困ったな、と思っていると、

「僕の顔に何かついてますか?」
「え?」
「いや、さっきから、時々さんからの視線を感じてたので。」

あぁ、何となくは気づいてるっぽいんだ。だったら、それとなく、ぼそっと言ってみるか、という気になったので、ちょっと恐る恐る、言葉にしてみた。

「あの、えっとね、笑わないでね。黒子くんって、肌の色白くていいなぁ、って思ってたの。」
「え?そうですか?」

あら、自覚ないの?と思ったけれど、黒子くんの反応が気になったので、そのまま続けた。

「うん。わたし、あんまり白くないし、女の子としては、やっぱり色白って羨ましいよ。」
「そんなことないですよ。それに男の子が色白いって、あんまり得したことないです。やっぱり火神くんとか、健康的に見えて羨ましいって思いますよ。」

なるほど。まぁ、言われてみれば、そうなのかも。そっか。黒子くんなりに気にしてるもんなのかなぁ、と思いながら、自分の腕を見ていると、

「比べてみます?」

と黒子くんは言って、自分の腕を差し出してきた。え?と思ったけど、わたしはその黒子くんの腕に自分の腕を並べた。

「ほら。」
「あ。え、意外...」
さん、自分で思ってるよりも、白いと思いますよ?」
「そ、そうなのかなぁ。」

実際、ほんの少しではあるけれど、ビミョーに黒子くんよりもわたしのほうが肌が白く見えた。なんでだろう。ひょっとして、黒子くんの周りの男の子が黒すぎるからかしら...

「それより...」

そう言いながら黒子くんがわたしの腕を優しく握る。

さんの方が、肌は綺麗だし、スベスベしてるし、柔らかくて僕は好きです。」
「く、黒子くん...」

そ、そんなこと言われたら、か、顔が―――――っ!
わたしは、ドキドキしながら、黒子くんが触ってるのと反対の手で熱くなった自分の顔を抑えた。

すると、黒子くんの手がわたしの顔へと近づいてきて、わたしの頬を撫でた。そして、そのまま両手でわたしの顔を包んで、黒子くんの顔が近づいてきたかと思ったら、おでこに、鼻に、両頬にと優しいキスをしてくれた。

さん、もっと自信持っていいですよ。僕はそんなカワイイさんが堪らなく好きです。」
「黒子くん...わ、わたしも大好き。」

すると、今度はそのまま口びるが重なった。すぐに離れたけれど、黒子くんはわたしの頬から肩、そして腕へと手を滑らせていく。わたしはドキドキしすぎて、心臓がおかしくなりそうだ。

そして、そのままギュッと抱きしめられた。耳元で黒子くんのちょっとくぐもった声が聞こえる...

さん、もっとキミに触れても、いいですか?」




fin

by ゆかり 2012/07/12 (篠さまからのリクエストより)





《つぶやきという名のあとがき》

というより、”言い訳”です^^;;;
篠さま、申し訳ありません。。。あんまりイチャイチャしてないですね〜>滝汗
いや、ホントは、他の設定で考えてたんですけど、
”お部屋で”とのことでしたので、変えたらこうなってしまって。。。
ということで、先に考えてたのも、そのうちupさせていただきます。
申し訳ありませんが、当面はこの駄文で、ご勘弁くださいませ<(_ _)>>低頭

で、でも、、、甘々にはなったかな?
いや。すみません。自己満足です^^;;;
もっともっと、精進させていただきます!
てか、ビミョーに黒子くん、ちょっと暴走気味。。。^^;;;

篠さま、この度はリクエスト、ありがとうございました!

ということで、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
陳謝。