貴方の 笑顔が


見てみたいな。。。







*** U Smile








黒子を見てて、ふと、思った。

黒子って、笑うこと、あったっけ?!



誠凛高校バスケ部マネージャーとして、タオルを渡したり、ドリンクを持っていったりすることはたくさんあるけれど、そう言えば、黒子って、いつも無表情な気がする。

渡す時、「ありがとう」とは、もちろん言ってくれるし、決して無愛想というわけではないのだけれど、んー、何て言うか、ただクールなだけなのか、恥ずかしい?のか、良く分からないけど。
そもそも、自分の存在を眩ます事が出来る人に、そういう希望って、かなりの無理難題だろうか、と、わたしは、少しの好奇心を憶えつつ、マネージャー業に勤しんでいた。

コート脇のベンチに座り、選手たちを見ながら、今日の練習メニューをノートに書き込んでいく。
徐に、わたしは、黒子の方へと目を向けた。

シュート練習、3on3等、動いている時は真剣そのものの表情だけれど。火神くんや日向先輩たちとダベってる時とかは、ほのかに微笑んでいる表情が窺える気がした。なんだ。そういう柔らかい表情するんじゃない。

っと、見ていたら、タオルを首に掛けながら、黒子が近づいてきて、ベンチのわたしの隣へと腰掛けた。

ちょっと離れ気味だったので、黒子に興味津々のわたしは、ムクムクと好奇心がわいてきて、記録ノートを持ったまま、黒子に近づいて座った。

「黒子っ。お疲れ。調子、どう?」
「まずまずですかね。もう一つって感じではありますけど。」

なんて話しながら、ドリンクを口にする黒子。あ、チャンスかも、と思ったわたしは、すかさず黒子の脇を、コチョコチョ...


ぶは―――っ。


「な、何するんですか―っ!」


あ、まぁ、当然の反応か。


あ、あはは、ゴメンゴメン、と言いながら、わたしは、えへへ、と笑って見せた。


「ちょっと、黒子の反応が見たくってさ。」
「何ですか、それ。」
「いやぁ、ね、黒子って、爆笑すること、あるのかなぁ、って。」
「爆笑ですか。そうですねぇ。・・・・・この前クラスの子たちがコントやってた時は、爆笑しました。」
「え?あれ?」

わたしと黒子は同じクラス。そういえばいつだったか、男の子たちがわいわいやってたっけ。あれ、そんなに面白かった?ていうか、黒子、大笑いしてたっけ...?


「そんなに、僕が笑うところ、見たいんですか?」
「うんうん。興味あるなぁ。」

「僕、今でも、笑ってますけど。」
「・・・・・え?」

「・・・・・心の中で、ね。」
「こころの、なか?」
「フフッ。ちょっと分かりにくいでしょうけど。」

・・・・・あ、笑った...


さん、君を見てる時、僕はいつも、微笑んでるんですけど。」

「・・・・・・・・え?」

「僕のそばで、君だけに見せる表情、見てみたくないですか?」


・・・・・え?え?そ、それは、どういう???


フフッ、考えといて下さい、そう言って、黒子はコートへと戻ってしまった。


何だか、いいように扱われた気分...ていうか、何か、ごまかされた感じ。
黒子、何が言いたかったんだろ...




部活練習が終わり、お疲れ様ーと、メンバーが帰る中、リコ先輩も、ちゃん、もういいよー、と言って下さったので、わたしも帰り支度を始めた。
そして、校門を出ようと思った、その時、

さん」

キョロキョロして、誰?と思いながら振り向くと、

く、黒子...

「一緒に帰りませんか?」
「あ、うん。いいけど。め、めずらしいね、声掛けてくれるなんてさ。」
「・・・・・あの、僕なりに、さんを誘ってるんですけど。」
「え?」
さん、僕が笑うところ、見たいんでしょ?」
「う、うん。まぁ、そうなんだけど。」

「だから、ずっと僕と居れば、見られますって。」

そう言って、黒子はわたしの手を引っ張って、前へ前へと進んで行く。
ちょ、ちょっと待ってよー、と言いながら、わたしは一生懸命、早足で付いていく。
黒子の顔をふと見れば、何だかとっても楽しそうに微笑んでるように見えた。









fin

by ゆかり 2012/03/07








《つぶやきという名のあとがき》

久しぶりの、黒子夢でした。
片思い好きのわたしらしい話で、すみません(汗々)。

結構スッスッスッ、と書けました。うん。黒子くん、書きやすいです。
だいぶ慣れてきたかな?

でも、何だか、ちょっと?いやかなり中途半端に終わってしまって、ごめんなさいです(滝汗)。
でもでも、このくらいの、ちょっとくすぐったい感じが、ビミョ―に好きなわたし。。。えへ。

まだまだ、精進させて頂きます!

ちなみに、タイトルは、"ジャスティン・ビーバー"の曲から拝借しました。
タイトルには、著作権云々がないって聞いたもので、早速使っちゃいました♪

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
陳謝。