「いっただっきま〜〜〜すっ!」
ちょっと小さめの声で、でも元気よく!
や〜〜〜っと委員会が終わって、お昼が食べられる〜。
四時間目直後からの委員会はかなり長引いた。
委員会の人ももちろん大変だけど、わたしだって...
文化祭の打ち合わせとはいえ、ホント、結構疲れたな。
昼休みの教室は、みんながワイワイとごった返していて、落ち着いて食べられない。
今日は、そう思ってあらかじめお弁当を持ってきてたから、このまま逃げちゃおうっと!
ちょうど、天気もいいし、、、、、ということで、屋上へとやってきた。
が、
残念なことに、先客が。
いや。
わたしにとっては、全然残念ではなく。
かといって、何か出来る術もなく...
座って読書中の隣のクラスの黒子くん。
めっちゃ強いバスケ部で、
これまた、めっちゃ強いメンバーと頑張ってる。
影の活躍者!
行けそうな試合には必ず応援にいってるわたし。
フフフ。こんなところで出会えるなんて...
でも、まぁ、あんまり話したこともないし。
読書の邪魔しないように、静かに食べさせてもらうことにしよう。
***************
というわけで、
青空を見渡しながら、邪魔しないように静かに解放感に浸りつつ、
本日のおかずへと箸をつけていく。
今日は、この卵焼きだけは、わたしが作ったのよね。
顔を綻ばせながら、卵焼きへ箸を伸ばした、その時、
「美味しそうですね、その卵焼き。」
頭上から聞こえてくるのは、もちろん、他でもない。
今、ここには、わたし以外、彼しかいない。
他の人が、入ってきた気配も感じなかったし...てか、
黒子くん、相変わらず、気配なさすぎ......
「・ ・ ・ く、くろこくん......!」
「ごめんなさい。お食事中。あんまり君が美味しそうに食べてたから、
つい、見に来てしまいました。というより、イイ匂いが漂ってて。」
「え?イイ匂い...あはは。こっちこそごめん。読書の邪魔しちゃったよね。」
「いえ。いいんです。ちょうど読み終わったし。」
そうこう言いながら、わたしの隣へ座ってしまった黒子くん。
ど、ど、どうしよう...心臓、どうにかなりそうなんですけど...
何となく手持無沙汰だし、黒子くんはこっちを見てるし、
一人だけ見つめられながら食べるのも気が引けるし。
「えと、黒子くん、良かったらこの卵焼き、食べる?」
「え?あ、いいんですか?」
「うん。わたしが作ったのだから、あまり保証は出来ないけど、もし良かったら...
邪魔しちゃったお詫びというか、さっき"美味しそう"って言ってくれたし...」
「いやぁ、それは僕の方こそ、突然声掛けてしまったし。あでも、せっかくなので遠慮なく。」
と黒子くんは言ったかと思うと、わたしの箸から、パクッと直接食べちゃった。
え?...えっと、、、いいの?あの...間接......
「ぅわぁ。美味しい〜!ホントに美味しいです。さんって上手ですね。」
「え?あ、ありがとう。......って、わたしの名前......?」
「あぁ。もちろん知ってますよ。隣のクラスのさん。いつも試合の応援に来てくれてますよね。」
ぅわぁ......気付いてたんだ〜。
いやぁ、素直に、これは嬉しいかも♪
え、でも、どうして名前まで......?
「不思議ですか?どうして名前まで知ってるのか。」
「あ、うん。だって、あまり話したことなかったし......」
「ずっと、あなただけ見てましたから。」
「・ ・ ・ え??」
「よく目が合うことがありませんでしたか?」
それは、気付いてた。
ふと彼の方を見ると、目が合ったりすることが結構あった。
でも、それは、本当に単なる偶然だと思ってたから。
それに、まさか、彼もわたしを見てたなんて......
「ずっと応援に来てくれてるけど、僕を見に来てるんだといいなと思ってました。」
「く、黒子くん。」
そう。そうなの。本当にそうなんだよ。
ずっと、わたし、黒子くんだけを応援しに行ってた......!
あ〜〜〜、でも、どうしよう...素直に言えないわたし...
でも、でも、黒子くん、まっすぐこっち見てる。
今なら、、、今だったら......
わたし、、、ちょっと、素直になってみようかな...
「あの......これからも、黒子くんのために、応援に行ってもいいですか?」
すると、黒子くんは、わたしの手を握って、
「よろしくお願いします。さんのために頑張ります。」
次の日から、わたしは、二つのお弁当を持っていった。
*** 昼休み...昼下がり...
fin
by ゆかり 2010/08/23
《つぶやきという名のあとがき》
またまた仕上げました、第3弾!!!!!!
ちょっと、黒子くんのセリフ、まだ納得いってないけど。
もっと精進せねば!!!!!!
てか、
最近は、ほとんど給食かなと思ったのですが、
ま、これもあり、ということで^^;;;;;
広ぉ〜〜〜い心で、見守ってやってくださいまし...<(_ _)>
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
陳謝。