キラキラ輝く黄色の髪...


それを手で掬って、サラサラとこぼしてみる...


綺麗なのがあまりにも悔しくて、わたしはちょっとイタズラしたくなった








*** flirt with








最近は男の子でも、長い前髪を上にあげたり止めたり括ったりしてるのをよく見るけど、そう言えば涼太くんはいつもそのままにしている。もちろん、カッコイイからそのままで十分なんだけど、今日は何となく、彼が額を出したところが見たくなった。

わたしは、隣に座っている涼太くんのおでこに手を当て、そのまま前髪を上へ上げるように手を動かした。

「ん?何やってんの?」

涼太くんは、わたしの唐突な行動に一瞬目を瞠る。わたしは、涼太くんの顔がよく見えるように、彼のおでこに手を当てたまま、ちょっとだけ後ろに下がって顔を遠ざけた。んー、そりゃ、カッコイイままなんだけど、何だかこれじゃよく分かんないし、何となくつまんない。面白くない。

っちー、何がやりたいの?」
「んー......ちょっと待って。」

わたしの手首を掴もうとする涼太くんを制して、わたしは彼の前髪を束ねてみる。んー、あんまりたくさん束ねたら、お侍さんみたいになっちゃうよね...それは、せっかくの男前が台無しになっちゃうから、っということで、少しだけ前髪を上で束ねてみた。すると......か、カワイイ......

「ちょっとー、何て顔、してんッスかー!」

あまりにもわたしが嬉しそうな顔をしていたのだろう。涼太くんはちょっとだけ、不愉快な表情になった。で、でも、これは、か、カワイすぎる―――――っ!
わたしはそのまま、ポケットにあったゴムを出して、涼太くんの束ねた前髪を括った。わたしは「カワイイー」と言って、拍手までしてしまった。すると、超不機嫌そうな涼太くんの顔。

「何だよ、カワイイって。」

そう言って、プーっと顔を膨らます。いや、そんな顔すると、ますますカワイイってば。ちょっとこれ、写メ写メ!わたしは、携帯を出しながら、涼太くんのほっぺを突っついた。そして、わたしが写メを撮ろうとしたら、涼太くんの大きな手が伸びてきて、簡単に携帯を取り上げられてしまった。で、なぜか、涼太くんの顔には薄ら笑みが...

「俺だけって、ずるいじゃん?」

涼太くんはそう言いながら、わたしの前髪を束ねて見ている。

「ほら。絶対の方がカワイイし。」

そう言いながらニコニコしている。

「ねぇ、どうせ撮るんなら、一緒に撮んない?」
「え゛ー???」
「ほらほら。もう一個くらい輪ゴム、あるっしょ?」

と涼太くんが手を出してくるから、仕方ないわたしまで同じ頭にすることになってしまった。でも、、、おでこ出すの、恥ずかしいなぁ...そう思って、わたしの前髪を括ろうとしてる涼太くんを前に、わたしは自分のおでこを片手で覆い隠した。

「何で隠すの?」
「だって......涼太くんみたいに綺麗じゃないし、それに可愛くないもん。」

すると、括り終わった手で、わたしのおでこに当ててる手をゆっくり外しながら、自分の顔を近づけてきて、そして、、、涼太くんの口びるがわたしのおでこに触れた。

「りょ......」
「恥ずかしくなくなるおまじない。大丈夫。俺なんかより、っちの方がずっとカワイイから。」

そう言って、わたしの携帯を掴んでカメラモードにし、わたしはグッと涼太くんの方へと引き寄せられ、「ほら、向こう向いて?」と言う涼太くんの顔はわたしの顔のすぐ横に。そしてその反対側のわたしの顔の横には、涼太くんの大きな手のピースサイン。なぜかノリノリな涼太くんに思わずわたしはクスッと笑ってしまった。すると今度はほっぺにチュッ......

「早く向こう向いて。はい、チーズ!」

そう言われて、わたしは顔を赤くしながら、急いで携帯の方を向き、同じようにささやかにピースサインを出してみた。





fin

by ゆかり 2012/08/12





《つぶやきという名のあとがき》

あはは。あたしったらば。。。一体何が書きたかったんでしょうか。。。>爆

すみません。。。いや、ただね、黄瀬くんといちゃいちゃしたかった、それだけです。。。>滝汗

ただのバカップル。はい。それでいいんです。それが書きたかったんです。

始めのきっかけは、黄瀬くんの前髪を括ってみたかった、そこです。
男の子の前髪括りたい→誰のにする?→黄瀬くん、と、こうなったワケです。

ただ、ちょっと疑問。
黄瀬くんの「〜っス」って、「〜です」のことでしょうから、
丁寧語だと思うので、これは、彼女にはつけないかな、と。
それから、「〜っち」も。これも同じ理由。なので、
あまりセリフにたくさん付けませんでした。
彼女にそれはやはり不自然かな、と。
うん。出来るだけ自然体の黄瀬くんが書いてみたかったのですが、、、それは×だったかな?>泣
しようがないです。わたしの力量なんて、所詮この程度です。。。>悲
また精進します。
てか、なぜか、この頃、黄瀬くんが脳内に留まっております。。。>苦笑

ということで。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
陳謝。