「ねぇ、の作ったカレー食べたいな。」
「え?わたしのでいいの?周助辛党だし〜。」
「いや。のが食べたいんだ。」
*** curry
珍しい。
最近、一緒にいるときは、何となく、家で食べることが増えてきた気がする。
日頃、外食が多いせいかな。
それとも......
・・・・・・・・甘えてる?
なんてね。
「おっけ〜。でも、私好みの味にするよ〜?文句なしね!」
「フフフ。大丈夫。も案外、辛党なほうじゃない?」
「そうかなぁ...」
「僕好みに、近付いてきたのかな?」
「え?何?周助色に染まってきたって???」
「へぇ。も分かってきたじゃない。」
「そりゃね。こんなに付き合ってればね。」
何年か付き合っていれば、
そりゃ、相手の好みくらい、何となく把握出来てくるものだ。
しかも、この不二周助という男、案外好みがはっきりしているし。
「よぉ〜し!じゃ、作るとしますか〜!」
ちょっと腕まくりなんかして、気合いを入れてみたりする。
「楽しみにしてるよ。」
「まかしといて!」
ふふふ。
でも、ちょっと遊んでみようかなぁ...
こんなイジワル心も、周助に似てきちゃったのかな...
なんて。そんなことも楽しんでるわたしもいたりする。
ん?
なんか、意味ありげな含み笑いしてるけど。
僕に、何か仕掛けをして来たりなんかしたら、、どうなるかもう分かってるよね?!
フフフ。お手並み拝見、ってところかな。
冷蔵庫の中を物色しながら、きっと頭の中ではイメージ出来てるんだろうね。
本当に楽しそうに料理するんだよね。
そんな彼女を見るのも彼氏の特権だし、醍醐味の一つかもしれないね。
でも、黙々と手を動かしてるのも、何だか...
ちょっとこっちを向かせてみようかな...
うっ.....
痛いほどの視線を感じる...
く〜〜〜っ!周助ったら、
わたしが、周助にじっと見つめられると、緊張して何も手につかなくなるの、分かっててしてる!
んもう!
絶対に、周助なんて、見てやんないからね!
集中!集中っ!!!!!
あれ...
へぇ...ったら、頑張ってるじゃない。
僕の視線から離れようなんて、イイ度胸してるね。
フフフ。さあて、逃げられるかな〜?
う.....いやいや...
だいじょうぶ、だいじょうぶ!
こうして、背中を向けてれば、そんなに、、、、、、、、って、
あんまり静かにされるのも、ちょっと気になっちゃうね.....
はぁ.....
所詮、わたしも、ただの女の子だよね。
周助相手に、どうにかしようってのが、間違いだったのか...
「周助.....」
「何?」
「えっと.....ちょっと、手伝ってくれたり...する?」
「だ〜め!今日は、が一人で作ったのが食べたいの!」
「ふぅ...そっか。じゃあさ、あの...集中できないから、ちょっと、リビングで音楽でも聞いててよ...」
「嫌だな。」
「どうして?」
「だって、のこと、ずっと見ていたいから。」
はぁ...
わたしの恋人は、こういう聞いてる方でも赤面しちゃうことを平気で言ってのける。
こういうの、確信犯、っていうんだろうな...
・・・・・・―――――――っ!
ちょっ、しゅ、周助、なにやってんの―――?
これじゃ、料理できないじゃないっ。
気が付けば、すぐそばに寄ってきた周助。
しかも、両腕、わたしの腰に回してるし――――――!
ぅわぁ、って思って、もぞもぞと彼から逃れようとすると、ますます回す腕に力を入れてくる...
あぁ―――ん、もう!
「ちょっ、周助。これやめて。上手く調理できないじゃない。」
「お腹すいちゃったんだけど。」
「でしょう?わたしも早く作ってあげたいから、
この手を放して、リビングで雑誌でも読んでて下さい!」
「はぁ。しようがないなぁ。じゃ、向こうにいるから。」
「うん。。ごめんね。待っててね。」
チュッ。
わたしは、周助のおでこにキスをした。
すると、周助は、違う、ココ、と言って、自分の唇をさす。
はぁ.....周助って、こんなに甘エタだったっけ?
仕方がないので、周助の口びるにわたしのそれを近づけた。
すると、軽く、じゃなくて、深くて長い......
ぅわっ。ちょ、ちょっと、包丁そこに置いたままなんですけど――――――。
「やっぱりが欲しくなっちゃったな。」
「え?ちょっ、な、何言ってんの?」
「いや、言葉通りだけど?」
「もう、だから、早く作るから。」
「フフフ。もまんざらでもないくせに。今、ほとんど力抜けかけてたでしょ?」
「んもう、周助ったら。」
「ハハハ。分かったよ。じゃ、さっさと済ませて、後でたっぷりを堪能させてもらおうかな。」
「はぁ...こんなところで言うセリフじゃないでしょ?」
で、結局、僕も手伝うことに。
始めからこうしてれば良かったのかな。
でも、からかって反応するを見るのもカワイイし。
僕たち、このままずっと、一緒に居られるといいね。
周助といると心がなごむ。いつまでも、この幸せ感が続くといいな。
fin
by ゆかり 2010/07/17作成
2012/04/25加筆修正
《つぶやきという名のあとがき》
随分前に書いてたのを引っ張り出してきました〜^^
ラブラブな感じが出したくて、ていうか、
アツアツぶりを感じたくて、仕上げてみましたが、
いかがでしたでしょうか。。。
あまり”カレー”が出てきませんでした。。。すみません。
本当は、作る過程も書きたかったのだけど。。。あはは。。。
これはこれで、よし。かな?^^ゞ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
陳謝。