アイツが見当たらない...


今日みたいな、天気のいい日は、きっと


あそこに違いない...








*** 風と髪








「あ、やっぱりいた。」

わたしは、学校の屋上のドアを開け、外から入ってくる風を受けながら辺りを見渡すと、ベンチの上に寝転がっているアイツを見つけた。

もう、いくら季節的にお昼寝には打ってつけとは言っても、こんな風通しのいいところで横になってたら、いくらあの大輝でも風邪ひいちゃうでしょ、そう思いながら、わたしは横たわる彼に近づいていった。

「ちょっと大輝、こんなところで寝てたら、風邪ひいちゃうよ?」

すると、本当に寝入っていたようで、かなり間があってから、んあ〜?、と声がしてきた。

「あぁ、なんだ、か。」
「今日、結構風強いし。てか、授業中も寝てんのに、よくそんなに寝れるね。」
「はぁ?余計なお世話だよ。ちょー、それより、ここ座れ。」
「え?何?ここ?」

まぁ、いっか、と思いながら、わたしは大輝に言われるがままに大輝の寝そべってる頭の方へと腰掛けた。
すると、大輝の頭がわたしの方へ近づいてきて、それはそのままわたしの足の上へ...

「ちょっ、何?」
「あー、気持ちえぇ。高さも柔らかさもちょうどいい。」
「ば、ばか。てか、重たいよっ。」
「いいじゃねぇの。減るもんじゃなし。」

大輝はそう言いながら、もう既に寝入る体制に。はぁ、コイツ、こうなったらもう動かないし、と半ば諦めて、わたしは青い空を眺めた。

すると、スー、スー、と寝息が聞こえてきたので、大輝の方へと目をやると、気持ちよさそうに目をつぶっている色黒の大輝の顔。短めの髪が足に当たる。わたしは、この男の子特有の短い髪を触るのにすごく興味を持っていた。ていうか、自分じゃ触れることのできない長さの髪、興味があるっていうか、自分の弟の髪も、短く切った時とか思わずわしゃわしゃと触ったりして、よく弟に、やめろよー、と言われていたりした。

目の下の大輝の髪を見ていたらすっごく触りたくなった。硬そうに見えるけど、意外と柔らかいんじゃ、そう思いながら、そうっと触れてみる。汗はかいてない、へぇ、結構サラサラしてるんだ、そう思いながら触れていると、静かに寝ている大輝が何だかちょっと可愛く思えてきて、そのままゆっくり彼の頭を撫でていた。ゆっくり、ゆっくり。気づかれないように。


すると、彼の長い手がぬーっと伸びてきて、わたしの首の後ろへと回され、そのままわたしの頭は下へと押しやられて、、、、、


”チュッ”


「ちょ、ちょっと、何すんの?ここ学校じゃん、誰かに見られるし...」
「なぁに言ってんだ。おめぇが誘ったんだろ?」
「は?いや、全然そんなつもりないし...」
「てかよ、学校じゃなかったら、もっとスゲェことしていいの?」
「ばっ...だ、大輝のヘンタイ―――っ!」

バシッ、と思わず大輝の頭を引っぱたいてやった。

痛ぇ、と言いながら、でも顔には笑みを浮かべて、大輝は自分の頭をさすりつつ起き上がった。そして、ン―――と言いながら伸びをして、わたしの横へと座り直した。

「ハッ。お蔭で目が覚めたぜ。」

そう言いながらまたわたしの頭を自分の腕で引き寄せ、今度はわたしのおでこに”チュッ”。そしてそのままわたしは大輝に抱きしめられていた。






fin

by ゆかり 2012/07/11





《つぶやきという名のあとがき》

初青峰夢です。
わたしって、初めてのキャラを書く時って、大抵設定が彼女なんですよね。なぜか。
やっぱ、彼女設定の方が、イメージしやすいのかも。。。?!

今回は、夢友様ののん子様(TOMYCHUN)の拍手を読んで、
青峰くんのお話に感化されて、朝、パパッと思いつくがままに、
小1時間で書き上げちゃいました〜。
ホント、書けちゃう時って早いです。
良かった。最近ちょっと自信喪失気味だったんで、
ちょっと自信も取り戻せたかも^^♪

にしても、青峰くんになってます?
ていうか、そういえば、初めてのキセキ夢かもですっ☆これは素直に嬉しいかも♪ウフッ^^

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
陳謝。